先輩からのアドバイスvol.3 秋田義博

  皆さんはじめまして。東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科 秋田義博と申します。
 私は初期研修を市中病院で行い、後期研修を当院で行い現在に至ります。後期研修の2年目で内視鏡を含めた消化器一般を集中的に研修し,その経験を後期研修3年目の関連病院出向でさらに積んでいくことができるカリキュラムになっているため,特に不安なく後期研修を終えることができました。初期研修終了後はとにかく少しでも早く,多くの手技を習得したいと気持ちが先走ってしまっていましたが,内科医・消化器内科としての正しい知識を身につけることが手技を行う上でも必要であり,後期研修3年間での経験は有意義だったと感じています。

 適切な医療を提供するためには慌てずに一つ一つ積み上げていくことが必要であり,当科ではそういった考えのもと指導を受けられる点が特徴かと思います。

現在当科は消化管,肝胆膵,腫瘍とさらに細分化し,より専門性の高い診療・研究を行っています。各専門医の指導のもとでの研修のため,最新の見解を含めた知識・技術を習得することができます。私は消化管班に所属し日々診療にあたっていますが,病棟では消化器内科医として疾患に隔たりなく診療にあたり,各専門チームとのカンファレンスで情報を共有しているため,肝胆膵,腫瘍の情報も得られ,消化器内科医としてのバランスも保つことができています。消化管班として炎症性腸疾患を含む消化管疾患の診療(病棟,外来,研究)を行っています。検査としては上下部内視鏡検査を始め,小腸造影やカプセル内視鏡,小腸鏡検査を行っています。小腸鏡検査では観察はもちろん,狭窄に対する拡張術や止血術,ポリープ切除術まで幅広く行っています。上級医のみが検査を行う印象を持たれている方も多いかと思いますが,専門医の指導のもと若手も積極的に検査に参加し手技を習得できる体制が整っています。

 特に炎症性腸疾患に関しては,特化したカンファレンス(臨床ベース)が毎週行われており,医師だけでなく薬剤師,栄養士といった多職種でのディスカッションを行うことで患者さん一人一人に合わせた治療プランを提供することができています。治療プランを相談する場ではありますが,若手の勉強の場でもあり,質問もしやすい雰囲気になっています。研究ベースに関しても定期的にカンファレンスを行い,現在進んでいる研究の進捗状況や今後検討している研究に関してなどを話し合っています。    

 抗TNF-α抗体製剤の出現により飛躍的に治療の幅が広がりましたが,難渋するケースもあります。新しいターゲットに対する新規治療薬の開発も進んでおり,治験への参加や疾患活動性の評価の検討等も行っており,少しでも日常診療の役に立つ仕事ができればと思っています。現在は若手が多く悪戦苦闘している日々ではありますが,新しいことに挑戦できる環境であることは間違いなく,少しでも興味がある方には一緒に参加していただければと思います。

 同期は多いですが,私を含め母校出身者は2名と少なく、他大学出身の方が多いのが特徴かもしれません。仕事上での困ったことやプライベートのことなど,昔からの付き合いだったような感覚の仲間と仕事をすることができています。前後の学年も多く,ちょっとした病棟での相談から専門医試験の相談まで何でも聞ける環境にあるもの魅力的です。

 慈恵医大は4つの附属病院と関連病院があり,本院以外の3病院は大学病院としての特徴と市中病院として特徴を兼ね備えており,関連病院はいわゆる市中病院で地域の医療の要としての特徴があります。大学病院での研修,市中病院での研修の両面を経験することができ,レジデント終了後も幅広い選択肢があることは大きなメリットと感じています。

 百聞は一見にしかず!です。少しでも興味を持たれたからは,ぜひ見学にお越しいただければと思います。お待ちしています!!

東京慈恵会医科大学 平成24年卒
秋田義博

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