先輩からのアドバイスvol.4 中川千夏

 はじめまして。東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科に所属しております 中川千夏 と申します。 私は東京慈恵会医科大学を卒業後、市中病院での初期臨床研修を行い、後期臨床研修から大学に戻りその後入局致しました。 市中病院・大学病院での研修を両方経験致しましたが、大学病院の特色として 層の厚さ ・ 幅広さ が挙げられると思います。

 消化器・肝臓内科の特徴の一つに診療で携わる臓器・疾患が多岐にわたることがあります。 消化管 ・ 肝臓 ・ 胆膵領域 と、消化器という分野の中に特徴の異なる臓器が多数あり、それぞれに炎症性疾患、自己免疫性疾患、感染症、悪性腫瘍など多くの種類の疾患があるため、各領域に対する理解を深めるために幅広く症例を経験し学んでいく必要があります。

 当科では 消化管班 ・ 肝臓班 ・ 胆膵班 ・ 腫瘍班 と専門分野毎に研究グループを細分化していることに特徴があり、入局後は自分の専門を定め研究やそれぞれの疾患に対する検査処置に関しては自分の専門とする分野を中心に携わり専門性を高めていくこととなりますが、病棟での診療においては自分の専門分野に限らず全ての領域の疾患を受け持ちます。 専門性の高い症例に関しては毎週開かれる分野毎のカンファレンスにおいて症例を提示し、その分野の習熟度の高い多くの専門医との情報共有を行いながら診療にあたっているため、後期研修中はもちろん入局後も 自分の専門分野以外の領域に関しても経験を積み重ねていける体制となっております。 後期研修中は病棟の上級医とチームを組んで入院患者様の診療を行うこととなりますが、定期的にチーム編成の更新を行うため、研修期間中に専門分野の異なる複数の医師から直接の指導を受けることができ、 多様性を持った考え方を身に付けることができる環境があります。  大学病院という高度専門医療機関であるからこそ集まってくる専門性の高い症例を経験する機会が多くあり、多数の医師が在籍する医局であるために経験や知識の異なる多くの医師と症例検討を行ないながら病態の理解を深めることができる環境があることが当科において後期研修を行うことの魅力の1つであると思います。 一方、後期研修中・入局後ともに 大学附属病院以外に関東圏を中心とした関連病院へ赴任する機会もあるため、common diseaseを含めた急性期医療・消化器内科一般に関しての経験を積むこともでき、専門性を深めるだけではなく医師としての総合的な視点を養うこともできるのではないかと考えます。


 最後に、当科の特筆すべき特徴として 医局の雰囲気がとても良いことが挙げられます。 大学病院・医局というと堅苦しいイメージがするものですが、当科にはそれとは真逆の和気あいあいとした温かい雰囲気があります。 医局の中には、慈恵医大を卒業し初期研修後期研修ともに慈恵医大附属病院で行った後に入局した慈恵医大一筋の医師もいますが、他大学を卒業し初期研修から当院で研修を行い入局した医師、他大学を卒業し他施設での初期研修を経て後期研修から当科で研修を行っている医師や他施設勤務後途中入局した医師など 様々な経歴のスタッフがいます。 しかし、出身大学やこれまでの経歴による隔たりは一切なく、現在 東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科に所属している医局員として全員で協力しながら診療にあたっております。

興味を持っていただいた方がいらっしゃれば、ぜひ一度見学にいらしてください。

よろしくお願い致します。



東京慈恵会医科大学 平成23年卒
中川千夏

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